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肥満症治療(自費)を2026年10月より受付開始します

2026.09.29
  • 重要なお知らせ

肥満は「太っている状態」を示すものであり、病気ではありません。肥満症はBMI25以上かついずれかひとつ以上の健康障害を伴うか・内臓脂肪型肥満(腹囲 男性≧85cm・女性≧90cm)の状態です。肥満症は複数の健康障害をすることが多いですが、減量治療によってそれらの合併症進展や予防することが出来ます。健康障害を伴う合併症や合併症になるリスクがある状態であり、治療適応となります。

肥満に伴う健康障害は当院HPで紹介させていただきましたが、簡単に記載しておきます。1)耐糖能異常(2型糖尿病・耐糖能異常など)・2)脂質異常症・3)高血圧・4)高尿酸血症・痛風・5)冠動脈疾患・心筋梗塞・狭心症・6)脳梗塞・脳血栓症・一過性脳虚血性疾患・7)脂肪肝・8)月経異常・不妊・9)睡眠時無呼吸症候群・肥満性低換気症候群・10)運動器疾患・変形性関節症・変形性腰椎症・手指の変形性関節症・11)肥満関連腎臓病の11疾患になります。

肥満は摂取エネルギー>消費エネルギーとなり、バランスが崩れる事により生じます。食べ過ぎにより摂取エネルギー過剰や運動不足により消費エネルギーの低下などにより、余剰なエネルギーが蓄積され肥満となります。食事や運動などの環境的要因に加え、遺伝的要因が影響するともされています。またストレスなどの心理的要因や仕事や収入などの社会経済的要因が生活習慣を介して肥満に関係すると考えられています。

減量方法としては、日々の体重や腹囲測定のモニタリングならびに行動療法として食事療法・運動療法になります。食事療法は適切な摂取エネルギーを設定し、内臓脂肪を減らす事を目指します。また栄養素(炭水化物・蛋白質・脂質)をバランスよく摂取することされます。運動療法は主に有酸素運動によって消費エネルギーを増やし、効率よく脂肪燃焼させます。行動療法は毎日の体重記録や食事内容の記録する事により、問題点を明らかにし改善をはかります。薬物療法は食事療法・運動療法を取り組むも不十分な場合には、くすりによる治療が考慮されます。以前には使用できなかった「ウゴービ」や「ゼップバウンド」が使用できるようになりました。外科手術は食事療法・運動療法・行動療法で改善がむずかしいBMI≧35の場合に、考慮されます。手術として日本では胃を小さくする腹腔鏡下スリーブ状胃切除術が保険適応となっています。

<GLP-1受容体作動薬~肥満症治療薬~について>

元々は糖尿病治療薬であった薬剤が肥満症治療薬として用いられています。オンライン自費診療などで「マンジャロ」や「リベルサス」・「オゼンピック」を処方される医療機関が問題となっています。肥満症治療ではなくいわゆる「痩身」目的に処方され、全身状態の把握や処方後変化など確認できておらず、問題視されています。また上記薬剤は糖尿病治療薬であり、肥満症治療薬ではありません。日本には医薬品副作用被害救済制度があり、薬を正しく使ったにもかかわらず、重い副作用で入院や障害、死亡などの健康被害を受けたときに、医療費や年金などの給付金が受けられる公的な制度です。一般名としてはセマグルチド・チルゼパチドであり同じ薬剤ですが、適応疾患が異なります。肥満症に対して糖尿病治療薬剤を使用した場合やそもそも適応のない痩身目的に使用した場合には医薬品副作用被害救済制度の適応外となる可能性が高いことを厚生労働省から注意喚起されています。また肥満症治療を自費診療を行なう医療機関が増えてきていますが、薬価に対して大幅な値上げをしたセット販売・自費診療として必要のない検査の抱き合わせ診療・導入後の定期的な効果・副作用ふくめた確認や食事・運動療法の状況把握・生活習慣病疾患診療が十分できていない事が危惧されます。

  • 消化器症状(悪心・嘔吐・下痢・便秘・腹痛)
  • 食欲不振
  • 低血糖
  • 急性膵炎
  • 胆のう炎や胆管炎
  • アレルギー反応(特にゼップバウンドでは注射部位局所の発赤)
  • 腸閉塞

副作用を上記にまとまめました。ほぼ消化器症状ですが、悪心・嘔吐の症状が強く出る場合や下痢が続く場合があります。他副作用としては頻度としては少ないですが、アレルギー症状や腸閉塞など注意が必要です。100%安全な薬剤は存在しないため、使用にあたり十分な注意が必要です。

  • 18歳未満
  • 甲状腺髄様癌、多発性内分泌腫瘍2型(MEN2)
  • 妊婦注・妊娠予定・授乳中など
  • チルゼパチドやセマグルチドに対してアレルギー歴ある方
  • 1型糖尿病・糖尿病ケトアシドーシス・糖尿病性昏睡
  • 2型糖尿病を有する患者における重症感染症・手術など緊急を要する場合

添付文章で禁忌とされるのはアレルギーならびに1型糖尿病や2型糖尿病の感染症や手術時にインスリンを必要とする場合です。他には18歳未満の安全性を確認したデータがなく糖尿病治療におけるマンジャロやオゼンピックも使用できません。また甲状腺がんの髄様癌の増悪の可能性を動物実験で指摘されており使用できません。また妊娠・授乳中の安全性も確認できておらず、使用できません。

<肥満症に対するセマグルチド・チルゼパチドの肥満症への適応について>

高血圧、脂質異常症又は2型糖尿病のいずれかを有し、食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られず、以下に該当する場合に限る。
・BMIが27kg/m2以上であり、2つ以上の肥満に関連する健康障害を有する
・BMIが35kg/m2以上

上記は添付文章に記載されていますが、保険適応条件として高血圧・脂質異常症・2型糖尿病のいずれかに対して「内服加療」を含む適切な診療が必要とされます。BMI27以上かつ内服薬剤加療中+他1つの健康障害または、BMI35以上かつ内服加療中の方が適応になります。肥満症かつ薬剤使用している状態でも、過体重が改善できない場合に適応が考慮されます。

疾患の適応以外にも厚生労働省の最適使用推進ガイドラインから施設基準が決められています。1)標榜科(内科、循環器内科、内分泌内科、代謝内科、糖尿病内科)2)専門医(日本循環器学会・日本糖尿病学会・日本内分泌学会のいずれか専門医が診療にあたること)3)上記学会の教育研修施設であること4)常勤の管理栄養士がいること、が必要になってきます。3)ないし4)の条件から保険診療が限られます。

また保険診療での治療時には半年間以上の通院・栄養指導を等の生活習慣指導、ならびに治療開始後も2か月に1回以上の継続した栄養指導が必要になります。いったん薬剤を中止した場合、再度半年以上の生活指導の期間が必要にもなります。

ウゴービ・ゼップバウンドも週一回の注射製剤になります。糖尿病治療薬のマンジャロは2026年8月に薬価が見直しにより低用量においては約2倍の薬価となっていますが、上記で説明させていただいた通り肥満症治療薬としては使用できません。同様の理由でリベルサスの内服も認められません。また糖尿病治療としてオゼンピックは1.0/Wまでの上限となっていますが糖尿病+肥満症の場合には肥満症に対しての治療としてウゴービを2.4/Wまで使用可能になっています。

肥満症治療として開始から半年間2か月一回以上の栄養指導などの生活習慣指導ならびに検査・診察を受け、改善しない場合には薬物療法が考慮されます。薬剤の加療は最大72週まで認められていますが、いったん中止または終了後には、再度6ヶ月の生活習慣指導が必要になってきます。そのため保険診療で肥満症治療を行っている医療機関では、薬剤忍容性が問題ない場合には、最短で最大量まで増量されることが多いようです。糖尿病診療や他生活習慣病診療においては最小薬剤数・最小容量で最大の効果が得られるように診療内容を考えますが、保険診療で行う肥満症治療においては制限が多い分、余裕もった取り組みが難しいようです。診療費として再診料730円・在宅自己注射指導管理料6500円・処方箋料680円のほか、2か月に一回の栄養指導費用として2000円や血液検査費用(検査項目により変動しますが3000~1万円)となります。参考までに下記にウゴービMDとゼップバウンドを1月4回使用した場合の薬費用をまとめさせていただきました。保険診療では診療費に基本1~3割の負担が必要になってきます。目安として3割負担の方で3000~6000円前後の医療機関窓口でのご負担+薬剤負担として1万円少しを合わせて13000~20000円/月の負担となるようです。もちろん低用量の薬剤であればもっと負担は減ります。ただし上記で説明させていただいた通り、開始までのハードルならびに使用可能期間が限られおり、最大の効果が得られる診療が必要になってきます。

  • ウゴービMD0.25/W 6049円(4回/月)
  • ウゴービMD0.5/W 10590円(4回/月)
  • ウゴービMD1.0/W 19051円(4回/月)
  • ウゴービMD1.7/W 30194円(4回/月)
  • ウゴービMD2.4/W 40861円(4回/月)
  • ゼップバウンド2.5/W 12268円(4回/月)
  • ゼップバウンド5.0/W 23118円(4回/月)
  • ゼップバウンド7.5/W 30884円(4回/月)
  • ゼップバウンド10.0/W 35996円(4回/月)
  • ゼップバウンド12.5/W 40720円(4回/月)
  • ゼップバウンド15.0/W 44968円(4回/月)

<当院における生活習慣病診療について>

肥満症治療の薬物療法には、高血圧・脂質異常症・糖尿病のいずれかの疾患に対して薬物療法を含めた適切な診療が行われていることが必要です。当院では受診当日に検査結果を説明させていただき、体組成結果などから食事療法や運動療法の提案を行っています。安静時基礎代謝・食事摂取内容聴取・推定運動量から推定消費エネルギーを計算し、適切な摂取エネルギーならびに栄養素バランスなど各個人に応じた内容を提案しています。更に管理栄養士による栄養指導相談も可能です。食事療法や運動について努力されていますが、なかなか結果につながることが難しい場合もあります。肥満症治療について説明させていただき、基本的に希望される方には保険診療が可能な医療機関へ紹介させていただいています。しかし別医療機関への紹介を希望されない場合・長期間の診療となり、なかなか時間がとれない場合など多くの患者様が希望されないのも事実です。そのため当院では従来の生活指導は原疾患受診時に継続させていただき、肥満症に対して保険診療として疾患適応を満たす場合に自費診療として肥満症治療を2026年10月より受付開始させていただきます。(ただし高容量を使用しないと難しいと予想される場合には、医療費負担が大きくなるため相談させていただきます)

当院では自費として肥満症外来をはじめさせていただきますが、従来どおり生活習慣病治療を継続とします。その上で体重管理が難しく適応を満たす場合に、低用量のウゴービ・ゼップバウンドをある程度短期間使用を提案させていただきます。肥満症治療の主役は薬剤ではなく、食事療法・運動量が原則基本です。頑張って取り組んでも変わらない状況を治療薬にて変えることにより、生活習慣を見直し機会になればと考えます。長期間薬物療法がないと体重を維持できないのではなく、薬剤なしで減量した体重を維持または更に減量に繋げることが出来るように相談させていただきます。自費診療費ですが、診療システムの利用ならびに注射薬剤の指導ならびに使用済みデバイスの破棄などの費用もかかるため再診料+処方箋料として約2000円となります。薬剤の費用は薬局で使用量に応じて変わりますが10割負担となります。薬剤費用に関しては上記まとめのをご参照ください。

<注意事項まとめ>

  • 肥満症治療薬の適応をみたす場合のみ(痩身的な目的には対応しません)
  • 当院に定期的に通院されている生活習慣病患者様のみ対応します(高血圧または脂質異常内服必須)
  • 自費診療となるため、通常の保険診療とは別日の受診が必要です(混合診療を避ける必要あり)
  • 自費診療受診時間は、通常保険診療に支障がない時間帯に設定させていただきます
  • 転売は禁止(対策として使用済みデバイスと交換で処方箋発行させていただきます)
  • 効果がない場合、副作用出現時、中止を希望される場合には、中止させていただきます

生活習慣病ならびに肥満症などお気軽にご相談ください。

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