Uクリニック入って正面に「縁」の文字を飾りました。
開業の祝いに一文字の書を贈っていただけるお話をいただいた時に、何の文字が良いのだろうかと考えた結果すんなりと決まりました。縁にはいくつかの意味があります。
- 仏語で結果を生じる直接的な原因に対して、間接的な原因を意味するようです。主の原因を助成して結果を生じさせる条件や事情など。
- そのようになる、めぐりあわせ。
- 関係をもつきっかけ。現在の状況をもたらす過去からの関係。
- 血縁的、家族的なつながり。
- 人と人とのかかわりあい。
家族・親子・親友・友人・恩師・先輩・後輩・職業からの関係などの人と人との縁、思いれのある土地との縁など色々思い浮かびます。ここで私の経歴について紹介させていただきます。私は宇和島で産まれ、そのあとすぐに今治(JR今治駅近く)で育ちました。その後松山(旧北条市)に転居し愛光中学・高校へ進学。幼少期に御世話になった叔父の背中に憧れ、そして家族が健康であって欲しいなど色々な思いから愛媛大学医学部へ入学。大学時代にはラグビーとの出会いがあり、部の先輩・後輩そして学生時代に無茶しながらいつも一緒にいた同期の仲間は大事な存在です。大学の講義の中でなぜか惹かれた恩師の講義から第三内科に卒業後に入局。愛媛大学と愛媛県立中央病院で消化器内科医師として2年間研修。初期研修が終わった初の赴任先が宇和島市で、そこで初めて糖尿病診療・チーム医療を始めたのは不思議な縁でした。大学へもどり糖尿病・内分泌グループに属し、糖尿病・内分泌疾患の診療に加え生活習慣を見直す栄養療法外来を管理栄養士と相談しながら経験できたのは感謝しています。学位取得後に愛媛県立中央病院に糖尿病・内分泌内科医師として勤務。1型糖尿病・妊娠糖尿病・インスリンポンプ・糖尿病教育入院・急性期糖尿病管理など愛媛県立中央病院だからこその経験を6年積み、済生会今治病院へ糖尿病・内分泌診療の責任者として赴任。済生会今治病院にて糖尿病・内分泌診療ならびに救急診療など4年間勤務を経てUクリニックを開業しました。
今までに独立を考える事もありましたが、医局やこれから糖尿病・内分泌診療を志す先生にとって少しでも役立たないといけないと考えその思いを封印してきました。しかし今治赴任直後に私を育ててもらった最後の家族を無くした事がUクリニックを今治の地で開業する気持ちの後押しとなりました。長年家族が縁を繋ぎ愛してきた地に、子孫である自分が場所を作り跡を残すことが恩返しになればと考え、また自分のできる事が皆さまにとって少しでも役立てればと思っています。
自分があるのは様々な縁があるからこそであり感謝し、また自分の診療が受診される皆様の縁を少しでも太くする助けとなればと考えています。「過去から現在そして未来への縁」を大事にしたいと考え、一文字を飾らさせていただきました。信頼される医療機関となれるよう努力させていただきます。