食事内容・食事時間・運動有無・体調・時間帯などの影響により1日の中で血糖値は変動します。
糖の動きを知る事により、穏やかな糖の波ならびに正常な血糖値管理につながります。
その結果、慢性期の糖尿病合併症予防や低血糖によるイベントを回避できます。
糖尿病加療のため注射薬を使用されている方は自己血糖測定(Self Monitoring of Blood Glucose SMBG)をされている事が多いと思います。
また血糖の変動の可視化のため医長期間で検査として受けたり、継続的自己管理の一環として持続血糖モニタリング(continuous glucose monitoring CGM)を利用される方もおられます。
CGM機種(デクスコムG6)に関する保険点数が2022年12月に変更され、今回自己血糖測定と持続血糖モニタリングについて簡単に説明させていただきます。
血糖値を下げる注射薬(インスリン・GLP-1受容体作動薬)をしている方・妊娠中の糖尿病の方に自己血糖測定(Self Monitoring of Blood Glucose SMBG)は保険適応になっています。
自己血糖測定とは、簡易血糖測定器を用いて自身で血糖値を測定することです。
日常の生活のなかでの血糖値を知る事でよりよい血糖コントロールを目指すことができます。
指先(または手のひら)に穿刺器具を穿刺し必要な血液をセンサーに付着することにより、数秒で血糖値を測定することが可能です。
インスリン加療をされている方にとってSMBGは管理状況の把握ならびに低血糖やシックデイの対応に有用になります。
複数の医療メーカーから様々な測定機器が販売されています。
持続血糖モニタリング(continuous glucose monitoring CGM)は皮下組織に留置したセンサーで皮下間質液中のグルコース濃度を測定することで血糖変動を可視化することができます。
SMBGは測定したその瞬間の血糖値知る事ができます。
CGMは血糖ではなく間質液中のグルコースを測定します。
そのため測定値誤差やタイムラグが生じますが、持続的な変動を測定可能です。
CGMの特徴として持続する血糖変動を確認でき、またその後の変動を予想することが可能です。
また血糖管理においてTIR(Time in range70~180mg/dlの1日の中での達成時間)が重要とされていますが、CGMにより評価することが可能です。
CGMには間歇スキャン式CGM(is-CGM)とリアルタイムCGM(rt-CGM)があります。
is-CGMとrt-CGMの違いは定期的にスキャンをする必要性の有無になります。
Is-CGMとして一般的に用いられているのはリブレが非常に多く用いられています。
一番多く使用されているCGMです。
rt-CGMはデクスコムG6などがあります。
下記に対比できるように提示させていただきます。
どちらのCGMも非常に便利ですが、センサーの耐久日数(14日/10日)・センサー装着部位(腕/腹部or臀部)・センサーの大きさ・transmitter交換有無・アラート機能有無など変わります。
補正不要・14日使用可能・管理が容易であることなどからリブレを現状選択する事が多いです。
血糖変動が大きく不安定のため詳細を確認し低血糖アラート機能が必要な場合には、デクスコムG6も候補に考えてもよいかもしれません。
診療報酬改定後、リブレ・デクスコムG6は同じ医療費で使用可能になり、より自由に選択できるようになりました。
また1型糖尿病・インスリンの使用有無に関わらず血糖コントロールが不安定な2型糖尿病の患者様に病院で行う検査の一環として、皮下連続式グルコース測定として対応する事ができます。
至適なインスリン量の決定や低血糖・高血糖となり不安定な管理などの場合に医療機関でセンサーを装着させていただき結果を確認することが可能です。
SMBGもCGMも糖尿病管理において非常に有用な自己管理のツールになります。
どちらにもメリット・デメリットがありますが患者様のニーズに合わせて選択可能となっており、専門医療機関にご相談ください。